2013年6月6日木曜日

地方競馬場外売り場への道

元気な爺さんたちの東京ダービー

テク・テク! ・・テク・テク! ・・と歩きながら地方競馬場外売り場へ向かう。

途中で2~3箇所の老後施設の前を通る。
窓越しに、爺さん、婆さんたちが 椅子に座っているのが垣間見える。

昔は、アチコチで見掛けた爺さん婆さんが 1箇所に集められている。
現代の歪んだ構図だ。

親を施設に放り込んだ愛する 家族たちは、家で霜降り牛のスキヤキをつついているのだろうか。 やれやれ、やっと場外売り場へ着いたぜ。・・

中に入れば、オッサンたちに混じって、爺さん たちが結構いる。今、前を通った爺さんは、口を・・パクパク・・パクパクしながら 歩いて行った。もはや、現世に溺れているようだな。・・

もう少しだ、ガンバレー!
ベンチに座っている爺さんは、いつも大きなホイト袋を脇に置いている。 ゴソゴソとその袋から、パック入りのヤキトリを取り出し、ムシャムシャと遣っている。 ・・

タケノコ煮・・エビチリ・・お饅頭・・と続いて行く。最後は、シーッ・シーッ!・・と音を 立てながら楊枝で歯を掘っている。

オレは、この爺さんが馬券を買っている所を見た 事が無い。

果たして・・気のせいだろうか・・? 椅子に座っている爺さんは、赤いシャツを着て小綺麗にしている。 ・・ように一見すると見えるのだが・・??

よくよく見ると、シャツにうんコをくっ付けている。
ヨーシッ!あと少しだ・・ガンバレー! 「東京ダービー・・スタートしますた。」・・

い、いかん。後方のインで位置が悪い。 「4コーナーを回すて、残り二百メートル。」・・ウ~ム、手応えが悪い・・く、苦しい。。!

「カワセー!」・・「ソノママー!」っとオッサンたちの叫ぶ声に混じって、
爺さんたちも ・・「フガッ!フガッ!フガー!」っと残り少ない魂を揺さぶっている。

オレの買った馬は、テレビ画面にほとんど映っていない。
叫ぶ事も無いまま、呆然と立ち尽くすオレの口は、開いたまんま・・

パクパク!・・パクパク! 「・・・が、力強く駆け抜けますたーぁー!」・・パクパク!・・・・パク!   チ~ン♪

これが俺の 馬券生活者の生き様。

終焉の地方場外売り場にて。

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