絶対に負けない!
あ、暑いにゃ~ぁ~・・ ゼェ~・ゼェ~!
梅雨はドウしたんだ・・?
台風は何処に行った・・?
虫の息をしながら、部屋で横たわって天井を見上げている。
・・・
「絶対に負けない!」・・・「絶対に負けない!」・・・。
おやおや、今日も来ている一組のカップルが場外馬券売り場に。
フッフッフ、どうやらさっきのレースは、上手く行かなかったようだ。
口を尖らせながら、バッグから取り出した馬券を確認している。・・
5枚・・6枚、
フッフ、ずいぶん買ってるねぇ~。こりゃ~大損害だな~お嬢さん!
不機嫌そうに立ち上がり、スタ・スタ・スタ・・ポイっとゴミ箱に。
そして、払い戻し機へ・・1枚差込み、2万円ほどバッグに放り込む。
やれやれ、
チャッカリ元は、取ってある。 ン?・・
彼女のTシャツの背中に白字で、デッカク!
・・何かが書かれている。
・・・
「絶対に負けない!」 ・・オヨヨ!
彼女の捨てた馬券が気にかかる。
ゴミ箱に近づき、確か・・あの辺り・・とジロ・ジロ!
イ・・イカン!
ガードマンの黒ぶちメガネがキラリッと光っている。
そこへ、汚いジジイ
が寄って来て、「クワァー・ペッ!」・・と黄色いタンをゴミ箱の中へ・・。
汚いにゃ~!
しかし、いつかは姐さんのハズレ馬券を手に入れてみせる。
その日が来るまで、俺は・・俺は・・ 「絶対に負けない!」
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