ある夕暮れの、地方場外馬券売り場とある風景~
「ガラ・ガラ・ガラ・・ガシャン!」
場外売り場の横に有るくすり屋さんの、店じまいの時間が遣って来た。
カツラを被った、70歳ぐらいの爺さんが、シャッターを閉めている。
・・ガラ・ガラ!
「ぢ、の痛みに、ホト・ホト・・お困りの方」・・と手書きの
広告を貼り付けている。・・フッフ、「ホト・ホト」とは、良い表現だ。
その光景が目に浮かぶ。カツラの爺さんが考えたのか、「ホト・ホト」参ったぜ。
「死ぬほど疲れている方に、すぐ効く即効薬があります」
素晴らしい!
思わず試したくなる誘い文句である。
競馬で勝ったら、
「オヤジ、死ぬほど疲れているんだが!」 と店を尋ねて見ようと思っている。
「ガラ・ガラ・グワラ・・ガシャン!」
道を隔てた一軒の黒いシャッターが開いた。
営業時間が始まったようだ。
外に出された看板の電気が入れられた。・・「大人のおもちゃ」 ・・ビカ・ビカ!
夫婦で経営しているのだろうか?
・大人のおもちゃで十分に、
楽しませて貰った風の、サッパリ顔の爺さんと、私の人生はあなたにムチャ
クチャにされた風の、サングラスのオバサンの2人で遣っているようである。
ある夕暮れの・・とある風景。
立ち並ぶソープ館に、
怪しげなくすり屋さんとおもちゃ屋さん。
そんな風景に、何気なく溶け込んだ
場外売り場が、そっと・・佇んでいる。
・フッフ、そこが松っさんの仕事場なのだよ。
「オッと、行けネェ~・・ワシの営業時間が始まったようだ!」・・ガラ・ガラ!
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